LightWave 3D Tutorial YSプラグイン:YS Anim kit 「YS:ChanKeySetter」の使用方法
1. 「YS:ChanKeySetter」の使用方法
「YS:ChanKeySetter」は、標準の「キー作成」や「キー削除」パネルで設定できる項目を拡張し、キー作成やキー削除をする際に、標準では設定できない様々な操作を簡単におこなう事ができるように改良したプラグインになります。 このチュートリアルでは、標準の「キー作成」を「YS:ChanKeySetter」に変更してキーの作成をおこなっていきます。
はじめに、「YS:ChanKeySetter」を利用するため、標準で利用している「キー作成」や「キー削除」を、「YS:ChanKeySetter」プラグインに変更する作業をおこないます。
※「YS:ChanKeySetter」でキー作成をおこなうために「キー作成」、「キー削除」ボタンを使用せず、ショートカットキーで「キー作成」や「キー削除」をおこないます。
1-1. ショートカットキー編集の変更
レイアウトを起動します。
「編集」>「ショートカットキー編集」を選択し、「キー設定」パネルを開きます。
右側の「コマンド」リストから「Return」キーに設定されている「キー作成」を探してください。
見つけ出したら、「アサインしない」ボタンをクリックしてショートカットのアサインを外します。
「Return」キーのアサインが外れたら、「YS:ChanKeySetter」をアサインします。
コマンドの名称が分からない場合は、左上の検索フィールドを利用するのが良いでしょう。
検索フィールドに「YS」と入力してください。
コマンドリストに「YS」を含んだ文字列のコマンドがリストされるのが確認できました。 一番下の「YS:ChanKeySetter」を選択し、右側の「Return」キーを選択し、「アサイン」ボタンをクリックして「Return」キーに「YS:ChanKeySetter」を割り当てます。
次に、「キー削除」のショートカットを変更します。
右側の「コマンド」リストから「Delete」キーを探します。
見つけ出したら、「アサインしない」ボタンをクリックしてショートカットのアサインを外します。
「Delete」キーのアサインが外れたら、左側のコマンドリストの「YS:ChanKeyDeleter」を選択して「アサイン」ボタンをクリックして、「Delete」キーに「YS:ChanKeyDeleter」を割り当ててください。
終了ボタンをクリックしてパネルを閉じて準備が完了です。
1-2. 「YS:ChanKeySetter」の設定方法
サンプルで同梱しているシーンファイル「manabu_walk.lws」ファイルを読み込みます。
このシーンは、1フレームから14フレームのループアニメーションになっています。 再生ボタンをクリックしてシーンを再生させましょう。
ループアニメーションが確認できたら、このループアニメーションを利用して、「YS:ChanKeySetter」を使用していきます。
キーボードの「Return」キーまたは「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」を開きます。
標準の「キー作成」パネルと比較すると、「Null」や「メッシュ」、「ボーン」、「ライト」、「カメラ」、「モーフ」、「ディゾルブ」といった細かくキーを作成できるようになっていますので、特定のアイテムのみを選択してキーを作成する事も可能です。
「YS:ChanKeySetter」では、パネル内の設定を切り替える事で、単一のキーを作成するだけではなく、キーフレームの操作もおこなう事ができます。
シーン編集やシーン編集クラシックを開き、「manabu_all_B」オブジェクトを選択します。
タイムラインを確認すると、1フレームから14フレームまでキーが作成されています。
このフレームを「YS:ChanKeySetter」を利用して調整していきましょう。
「Return」または「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」パネルを開きます。
左上の「キー作成」ボタンをクリックすると「移動」、「スケール」、「コピー」、「ベイク」、「キー削除」、「範囲削除」の順番で切り替わります。
1-2-1. [移動]モード
「移動」モードは、キーフレームを移動させるために利用するモードです。
「YS:ChanKeySetter」パネルのキャンセルボタンをクリックしてパネルを閉じます。
現在、終了フレームが「14」フレームになっているので、少し大目の「30」フレームに変更します。
再度、[Return]キー、または「Enter」キーを押して「YS:ChanKeySetter」パネルを開き、モードを「移動」に変更します。
最初のフィールドが「開始フレーム」、2番目のフィールドが「終了フレーム」、3番目のフィールドが「オフセット値」になります。
タイムラインを確認すると、1フレームから14フレームまでキーが作成されているので、このキーフレームを5フレームオフセットする設定にしていきましょう。
開始フレームを“1”、終了フレームを“14”、オフセットを“5”と入力してOKボタンをクリックします。
タイムラインを確認すると、6フレームから19フレームへキーフレームが移動した事が確認できました。
キーを設定する事で、キーフレームの移動をおこなう事が可能になります。
次の作業に移る前に、再度「Return」キーまたは「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」を開きます。
パネル左下の矢印をクリックして、さらにパネルを展開します。
右側のボタン「Undo(アンドゥ)」ボタンをクリックして、移動する前の状態に戻します。
1-2-2. [スケール]モード
「スケール」モードは、キーフレームをスケールさせるために利用するモードです。
「YS:ChanKeySetter」パネルが開いているのを確認し、左上のモードボタンを押して、「スケール」モードにします。
最初のフィールドが「開始フレーム」、2番目のフィールドが「終了フレーム」、3番目のフィールドが「倍率値」になります。
3番目のフィールドを“3”に変更してOKボタンをクリックしてください。
タイムラインを確認すると、キーフレームが3倍になり、各キーフレームの間隔が3フレームずつになっているのが確認できました。
再生することで、キーの間隔が延びてゆっくりなアニメーションとして確認できます。
次の作業に移る前に、再度「Return」キーまたは「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」を開き、「Undo(アンドゥ)」をクリックして、「スケール」する前の状態に戻します。
1-2-3. [コピー]モード
「コピー」モードは、キーフレームの挿入とコピーをするためのモードです。
「YS:ChanKeySetter」パネルが開いているのを確認し、左上のモードボタンを押して、「コピー」モードにします。
最初のフィールドが「開始フレーム」、2番目のフィールドが「終了フレーム」、3番目の「F」フィールドがキーを挿入するフレーム、4番目の「数」フィールドがコピーを繰り返す数になります。
「F」フィールドに“20”と入力し、「数」フィールドはデフォルトの“1”にしてOKボタンをクリックします。
タイムラインを確認すると、「F」で入力した“20”フレームから、「数」フィールドで入力した1回分コピーされたのが確認できました。
再度「Return」キーまたは「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」を開き、「Undo(アンドゥ)」をクリックして、「コピー」する前の状態に戻します。
「Undo」で戻ったら、再度「コピー」モードに変更します。
先ほどは、途中のフレームからコピー操作をおこないましたが、現在のループアニメーションをコピーするための設定方法を紹介します。
開始フレームが“1”なので、「F」フィールドに“1”、「数」フィールドにコピーする回数、このチュートリアルでは、「数」フィールドを“2”にしてOKボタンをクリックします。
タイムラインを確認すると、14フレームの倍の“28”フレームまでキーフレームを確認する事ができました。
設定している開始フレームからコピーさせたい場合は、既存のキーを上書きするようになるので、「数」フィールドには“2”以上の数を入力してください。
次の作業に移る前に、再度「Return」キーまたは「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」を開き、「Undo(アンドゥ)」をクリックして、「コピー」する前の状態に戻します。
1-2-3. [ベイク]モード
「ベイク」モードは、キーフレームを焼き付けるためのモードです。
「YS:ChanKeySetter」パネルが開いているのを確認し、左上のモードボタンを押して、「ベイク」モードにします。
最初のフィールドが「開始フレーム」、2番目のフィールドが「終了フレーム」、3番目の「Step(ステップ)」フィールドは、焼き付けるためのフレームの間隔になります。
ベイクモードを確認するために、「スケール」モードに変更し、倍率フィールドを“2”にして、スケールをおこないます。
再度「YS:ChanKeySetter」パネルを開いて、左上のモードボタンを押して、「ベイク」モードにします。
現在、タイムラインを確認すると3フレームずつキーフレームが作成されています。 スケールした終了フレームは“27”フレームなので、「ベイク」モードの開始フィールドを“1”、終了フィールドを“27”、「Step(ステップ)」フィールドを“1”にしてOKボタンをクリックしてください。
タイムラインを確認すると、Step(ステップ)で設定した1フレームずつにキーが作成されたのが確認できました。
次の作業に移る前に、再度「Return」キーまたは「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」を開き、「Undo(アンドゥ)」を2回クリックして、「ベイク」する前、そして「スケール」する前の状態に戻します。
1-2-4. [キー削除]モード
「キー削除」モードは、キーを削除するためのモードになります。
削除したいキーフレームを入力してください。設定した項目に従い、入力したフレームの属性のキーを削除します。
1-2-5. [範囲削除]モード
「範囲削除」モードは、キーフレームの範囲を削除するためのモードです。
「YS:ChanKeySetter」パネルが開いているのを確認し、左上のモードボタンを押して、「範囲削除」モードにします。
最初のフィールドが「開始フレーム」、2番目のフィールドが「終了フレーム」になりますので、入力したフレームの範囲のキーを削除することになります。
タイムラインを確認すると、1フレームから14フレームまで設定されていますので、間のフレーム間を削除します。
開始フィールドを“5”、終了フィールドを“10”と入力してOKボタンをクリックします。
タイムラインを確認すると、設定した5フレームから10フレームまでのキーが削除されたのが確認できました。
標準のキー作成では、キーの移動やコピー、スケール等やアンドゥはおこなう事ができませんので、このプラグインでアニメーションを設定した後で、アンドゥを利用しながらキーフレームの操作をおこなうことができるので作業の効率を上げることができます。
2. 「キー形状」、「振る舞い」、「値のコピー」の設定
「YS:ChanKeySetter」では、キーの作成やキーフレームの調整以外に、「キー形状」の調整や、キーの「振る舞い」の調整と、「値のコピー」おこなうことができます。
2-1. 「キー形状」の設定
1章で使用したシーンファイルが開いている場合は、「ファイル」>「新規シーン」を選択し、レイアウトを起動した直後の状態に戻します。
起動した直後の状態に戻したら、サンプルで同梱しているシーンファイル「manabu_base.lws」ファイルを読み込みます。
ビューポップアップメニューから「ボーンX線表示」を選択して、ボーンを表示させます。
右手の脛のボーン「mamoru_arm_R_B_01」を選択し、回転ツールを選択します。
このボーンを回転させますが、ビューの表示を「パース」ビューに変更し、右手脛のボーンを見やすいような配置にします。
タイムラインを確認すると、終了フレームが“14”フレームなので、フレームスライダーを“7”フレームに移動します。
ピッチ軸のハンドルをドラッグして回転させ、“-100度”になるまで回転させます。
次に、フレームスライダーを“14”フレームに移動します。
このフレームでは、初期値のポーズである“0度”になるようにドラッグして回転させます。
次に、グラフ編集を開き、ピッチ軸のチャンネルを選択してエンベロープを表示させます。
0フレームを確認すると、突然に動作しているようになっているので、こちらのエンベロープを調整します。
フレームスライダーを“1”フレームに移動します。
キーボードの「Return」または「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」パネルを開きます。
パネル左下の矢印ボタンをクリックしてパネルを展開します。
「キー形状」下の「張力」を“1.0”にして、OKボタンを押します。
グラフ編集パネルに戻り、1フレームのキーの形状を確認してください。
張力を変更した事で、1フレームのキーの形状が緩やかに開始されたのが確認できます。
このチュートリアルでは、キーを作成後に「キー形状」を変更しましたが、アニメーション時のキーを作成する時に、「キー形状」を編集しながら、キーを作成する事ができます。
2-2. 「振る舞い」の設定
現在、開かれているシーンをそのまま利用します。
このチュートリアルでは、14フレームまでキーが作成されています。
終了フレームを倍の“28”フレームに変更します。
「mamoru_arm_R_B_01」ボーンが選択されているのを確認し、フレームスライダーを“14”に移動します。
キーボードの「Return」または「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」パネルを開きます。
「2-1」では、「キー形状」を変更しました。値が残っているので、「張力」を“0”に戻し、「振る舞い」をクリックして設定できるようにします。
「後」の設定を「反復に変更し、OKボタンを押します。
グラフ編集パネルを開き、ピッチ軸のチャンネルを選択します。
14フレームまでのアニメーションが、繰り返しのアニメーションに変更になりました。
2-3. 「値のコピー」の設定
引き続き、開いているシーンを利用します。
フレームスライダーを“7”フレームに移動します。
キーボードの「Return」または「Enter」キーを押して、「YS:ChanKeySetter」パネルを開きます。
「値のコピー」をクリックして、メモリーに“7”フレームのキーの値をコピーします。
続けて、「キー作成」フィールドの値を“10”に変更し、「値に貼り付け」をクリックします。
OKボタンを押してパネルを閉じます。
フレームスライダーや、グラフ編集パネルを確認すると、コピーした“10”フレームにキーがコピーされたのが確認できました。
普段、グラフ編集パネルで操作する、キー形状の変更や、振る舞いの操作も、「YS:ChanKeySetter」を利用する事で、キーを作成するのと同時に、設定することができるようになります。